ビルなどの建物を解体する職業を「解体工」といいます。

建築業において解体工は、老朽化して住めなくなった家や、

放っておくと危険なビルなどを取り壊して、新しい場所を作るために欠かせない存在です。

そこで今回は、解体工事の仕事内容やその魅力についてご紹介します。

将来のことを考えて、就職や転職を希望する方は、ぜひ参考にしてください。

解体工ってどんな仕事？

解体工事を請け負う解体屋の仕事は、老朽化した住宅・ビルなどの建造物や、

石やコンクリートなどでできた構造物を取り壊して片づけるというものです。

そんな解体工事にも色々あり、大半の建物は重機で解体しますが、

作業員の手で取り壊す場合もあります。

現場によっては、通常は見る事の出来ない超大型の重機を操作して、

大きな建物を効率よく安全に解体することも、解体工の腕の見せ所であり、

解体屋の仕事ならではの魅力とも言えます。

とはいえ、解体工事の仕事は簡単なことではありません。

むしろ解体作業は、一歩間違えれば大事故が起こることにもなりかねない、

常に危険と隣り合わせの仕事です。

解体工事を行うには、法律に則った届け出や入念な準備が必要ですし、

解体工事の多くでは、重機を扱うため、そうした機械をすぐに使えるように整備点検をしたり、

解体工事で発生した廃材などを適切に処分することも求められます。

そして、解体工事で出た廃材をトラックに運搬する作業には人手が必要です。

解体工事の現場は仕事のしやすい環境ではなく、夏は暑く冬は寒い中で作業することになり、

粉塵が舞う環境で体を酷使することになります。

特に夏は熱中症の危険もつきまとうでしょう。

アスベスト（石綿）が使われている古い建物の解体工事では、

アスベストを吸い込んでしまうと、重大な健康被害に繋がります。

解体工は、このようにきつい環境で、安全に配慮しながら作業効率を考え、

神経をとぎすませて限られた短期間で終わらせなければなりません。

解体工事の魅力・面白さとは？

解体工事の一番の魅力は、なんといっても「ストレス発散」でしょうか。

人によって差はありますが、古くなった物を壊したり、

雑然と物であふれかえった場所を綺麗に片づけた後の景色の清々しさは、

言葉では言い表せない解放感を伴います。

また、古びて倒壊の危険がある建物を、

安全かつ丁寧に解体するとうという重要な作業を任せられることの責任感や、

仲間と協力して作業を無事に終わらせることができた時の達成感などは、

何物にも代えがたい魅力です。

解体工事の仕事に向いているのはどんな人？

解体工事は、建築技術ほどの精密な作業は求められません。

とにかく、工期内に安全で効率よく作業を終わらせる事が第一条件です。

解体工に向いているのは、身体を動かすことが好きで、最後まで根気よく業務に向き合える人です。

また、良い人間関係を築ける方や、状況に対して臨機応変に対応できる方におすすめです。

会社によっては、商業施設や公共施設まで幅広く手がけることもあり、

特殊な現場や建築材料に合わせた多種多様な重機を操縦することになります。

必要な免許を取得していけば、操縦できる重機の幅が広がり、活躍しやすくなるでしょう。

特に「子供の頃から大きな車や強そうな機械を見るのが好きだった」という人には、

もってこいの職業です。

まとめ

戦後70年以上経過している日本では、高度成長期に建てられた建造物などが、

老朽化により解体を迫られている建物が次々と出てきています。

そして今後、インフラ整備も加速していく状況下で、

解体工事の仕事はさらに必要になっていくとみられています。

解体工事の仕事は、決して人気の高い業種ではないかもしれません。

しかし、きつい仕事の中にも面白さや、確かなやりがいが感じられるでしょう。