過去には便利だったアスベストも実は健康被害の原因になるため慎重な解体が必要
住宅や建造物をバラバラに取り壊すことを解体工事といいます。
解体工事をする時は、さまざまなきまりや届出などが必要となります。
解体工事は、家を建て替える時や相続した家に住む予定がない場合など、さまざまな理由により必要になります。
解体工事と聞くと、建物の取り壊しということは分かりますが、具体的にどのように進められるか知られていないことも多いのではないでしょうか。
解体工事は建物の構造により解体費用、解体方法が違ってくる
解体工事は、家を全て取り壊す場合の解体工事と、リフォームなど内装工事をするために、建物の一部を取り壊す解体工事があります。
解体工事は、大きな重機などで一度に取り壊していく工事を想像するかもしれませんが、解体工事の手順にはさまざまな内容があります。
解体工事は、解体工事後の利用方法によって建物だけの解体、外構のみの解体、リフォームのための解体などがあります。
建物の解体工事は、建物の構造や建築方法によって工事方法が違います。
住宅には、木造、鉄骨造、RC造があります。
このようなそれぞれの建物の構造によって、解体工事の方法が違い、解体費用にも違いが生じます。
解体費用の違いは、建物の解体のしやすさなどによるものです。
木造住宅はRC造と比べて解体しやすいですね。
解体工事に手間がかかる建物は、作業員の人数の違い、解体工事に特別な方法が必要になる可能性があるからです。
建築製品へのアスベスト使用について
建物は、建設年代によってアスベストと言われる石綿が使われている建造物があります。
アスベストは、1955年頃から使用がはじまり1960年代の高度成長期に建材製品として広く使われています。
アスベストが建材として使われた理由は、安価でありながら耐火性、断熱性、防音、絶縁性などの優れた機能があったからです。
アスベストは、建物の仕切り壁、住宅の屋根、建物の外装、内装、屋根をはじめとして、さまざまな場所に使われていました。
このように優れた効果が期待できるアスベストですが、1975年にアスベストによる健康被害から使用に制限が設けられました。
アスベストは、人の髪より細いものです。アスベストが空気の中に浮遊すると人が吸い込んで、肺胞に沈着してしまいます。
アスベストが体内に残ってしまうことで、肺がんや悪性中皮腫などの病気を引き起こすことがあります。
また、アスベストは、石綿の種類により発がん性が高いとされています。
このようなことから、アスベストを住宅に使用することに対し規制がかかり2006年にはアスベストの使用が全面禁止となりました。
アスベストが含まれている建物の解体について
このように健康被害の危険があるアスベストが使用されている建物の解体工事では、安全のために多くの規制があります。
解体工事を行う前に、必ずアスベストの使用について確認が行われます。
解体工事の建物にアスベストが使用されている場合、まずは建物調査が行われます。
アスベストが使用されている建物はアスベストの含有率によって、レベル分けがされます。
レベル分けされた建物は、アスベストの含有率に応じた書類提出や近隣住民に対するアナウンスなどが行われます。
アスベストが使用されている建物を解体する場合は、必要に応じアスベストが飛ばないように飛散防止剤を撒いて作業が進められます。
解体作業が終了すると除去したアスベストが含まれている建材を厳重に梱包しアスベストに応じた廃棄が行われます。
アスベストが使用されている建物の解体工事では、それに応じた解体工事が進められます。
かつて、アスベストは優秀な建材として広く普及しました。
その後、健康被害が報告されることによって、使用禁止などの対応がされています。
アスベストは、解体時の廃棄も厳重に規則が決められています。
このように厳しく管理することで、安心して過ごすことができるでしょう。
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